犬が車酔い・移動酔いする理由

犬の車酔いは一時的なものもあれば、習慣化してしまうこともあります。 まずはその原因を理解して、犬の立場に立って対策を考えることが大切です。
平衡感覚の乱れ
車酔いの主な原因の一つは、犬の三半規管の発達状態や平衡感覚の乱れです。 特に子犬はまだ機能が未発達で、車の揺れや加減速に敏感に反応します。 これは、人間の子どもが酔いやすいのと同じ仕組みです。 また、大型犬より小型犬の方が振動の影響を受けやすいため、酔いやすい傾向があります。 急なカーブやブレーキ、凸凹道を走行する際の揺れが犬の平衡感覚を刺激して、酔いにつながります。 これを予防するには、運転方法の見直しや犬を固定できるグッズの活用が効果的です。
ストレスや不安
犬にとって車内は密閉された見知らぬ空間であり、特に慣れていない犬にとっては強いストレスになります。 クレートやドライブボックスに閉じ込められることも、パニックを引き起こす原因になるかもしれません。 これらの心理的ストレスは犬の自律神経を乱して、吐き気や震え、よだれなどの症状を引き起こします。 また、飼い主が緊張していると、その感情が犬に伝染することもあるでしょう。 飼い主ともどもリラックスした雰囲気で車に乗ることが、犬に安心感を与えることになります。
車内のニオイや空気
犬は、人間より数万倍も鋭い嗅覚を持っているため、車内のニオイにはとても敏感です。 香水や芳香剤、車内に残る洗剤の香り、食べ物のにおいなどが犬にとっては不快で、乗り物酔いの原因になることがあります。 また、車内の空気がこもっていると酸素不足により気分が悪くなることもあるでしょう。 走行中はできるだけ窓を少し開けて換気を行うなど、快適な車内環境を整えることが大切です。
車に乗ることのトラウマ
犬にとって「車に乗ること」が動物病院やトリミングなど嫌な場所に連れて行かれる前触れだと記憶されてしまうと、車に乗ること自体に恐怖を感じるようになります。 このネガティブな印象が繰り返されることで、ストレスから酔いやすくなることがあります。 犬にとって「車=楽しい場所へ行く手段」と認識させるために、車でドッグランや公園へ行くなど、ポジティブな経験を積ませることが有効です。
犬の車酔い・移動酔い対策グッズ

近年では、犬の車移動をサポートする便利なグッズが数多く登場しています。 ここでは、犬の乗り物酔いの予防や軽減に効果的とされる代表的なアイテムをご紹介します。
犬用CBDオイル

犬用のCBD(カンナビジオール)オイルは、ストレスや不安を和らげる効果があるとして注目を集めています。 CBDは大麻草の成分ですが、精神作用のない安全な成分だけを抽出しており、合法でペットにも安心して使用できます。 移動の15分~30分前に数滴舐めさせるだけでリラックス効果が得られる犬も多く、震えや嘔吐などの症状を軽減できたという声もあるほどです。 犬の身体に負担が少ないナチュラルな方法として、サプリメントや薬に抵抗のある飼い主にも人気です。 ただし、CBDオイルの濃度や品質には差があるため、獣医師と相談のうえ安全性の高い製品を選ぶことが重要でしょう。

犬用ドライブボックス

ドライブボックスは、車の座席に固定して使う犬専用の移動用ボックスで、移動中の安定性を高めてくれるアイテムです。 車内での揺れを最小限に抑えることで、三半規管への刺激を減らして酔いを予防できます。 また、視界を広く保てるタイプであれば、外の景色を見ることができ、犬が気を紛らわせやすくなります。 飛び出し防止のリードがついたタイプなら、安全性も確保できるでしょう。 小型犬用から大型犬用までさまざまなサイズがあるため、犬の体格に合わせて選ぶことが大切です。

犬用ドライブベッド

ドライブベッドは、クッション性のあるベッドを車の座席に設置して使用するタイプのアイテムで、犬が安心して横になれます。 しっかりと固定することで車内の揺れを吸収して、車酔いを軽減してくれるでしょう。 柔らかい布製を使ったベッドはリラックス効果が高く、長時間のドライブでも疲れにくいのが特徴です。 特に、高齢犬や体力のない犬におすすめです。 洗濯可能なカバー付きのものを選べば、いつでも清潔を保てるでしょう。

犬用酔い止めサプリメント

犬の体質によっては、ナチュラルな酔い止めサプリメントの使用も効果的です。 ジンジャーやカモミール、ミントなどの胃腸の働きを整えるハーブや、ビタミン類を含んだサプリメントが多く販売されています。 おやつ感覚で与えられるチュアブルタイプや、ドライフードに混ぜられる粉末タイプなど様々な形状があるため、犬の好みに合わせて選べるでしょう。 ただし、持病のある犬やアレルギーのある犬には慎重に使用して、初めて使う場合は少量からスタートする必要があります。

犬用アロマスプレー

犬用アロマスプレーは、車内に数プッシュするだけでリラックスできる香りが広がるアイテムです。 ラベンダーやカモミールなど、犬にとって優しく、落ち着きを与える香りが配合されており、不安や緊張を和らげてくれます。 市販の人間用アロマは成分が強すぎることがあるため、必ず犬用に作られた安全性の高い製品を使用することが大切です。 しかし、余計な香りが苦手な犬もいるので、まずは家で少量試してから反応を確認すると良いでしょう。

対策グッズで犬の車酔い・移動酔いを予防しよう!

犬の車酔いは、身体の構造的な問題だけでなく、心理的な不安や環境要因が大きく関与しています。 ドライブを嫌な思い出にしないためには、事前の準備とグッズの活用が大切です。 CBDオイルやドライブボックス、ベッドなどを上手に取り入れ、犬にとって快適で安全な空間を用意してあげましょう。 そして、短時間のドライブから少しずつ慣らしていくことも大切です。 飼い主のちょっとした気配りで、車移動が楽しい時間に変わる可能性は十分にあります。 愛犬とのお出かけがもっと楽しくなるよう、日頃から準備と観察を忘れずに、快適なカーライフを送りましょう。
WELLPHARMA(参照日:2025-06-09)
https://item.rakuten.co.jp/bicle/mn005r/
BellePlage(参照日:2025-06-09)
https://item.rakuten.co.jp/belleplage/petdrivebox/
I DOG & I CAT(参照日:2025-06-09)
https://item.rakuten.co.jp/idog/17370/
ANZUDOG(参照日:2025-06-09)
https://item.rakuten.co.jp/auc-youmore/pet1113/
enone(参照日:2025-06-09)
https://item.rakuten.co.jp/enone-store/enone-ni-mu/
著者情報

けんぴ
若い頃はドッグトレーナーとして、警察犬の訓練やドッグスポーツなどを行う。
それらの経験を活かし、ペット系ライターとして活動中。
現在はすっかり猫派となる。
好きな犬種・猫種はボーダーコリーとノルウェージャンフォレストキャット。