映画編

猫が物語の中心にいる映画は、見るだけで癒されるものばかりです。 ユーモアや感動にあふれた映画作品を通して、猫の魅力を再発見してみましょう。
ルドルフとイッパイアッテナ
「ルドルフとイッパイアッテナ」は、斉藤洋さんの児童文学作品を原作にしたアニメ映画です。 飼い主と離れ離れになった黒猫のルドルフが、長距離トラックに迷い込み、途方に暮れている中、都会で出会った大きな猫「イッパイアッテナ」と共に成長していく姿が描かれています。 猫同士の友情や知恵、冒険がテンポよく展開され、子どもから大人まで楽しめる内容です。
グーグーだって猫である
「グーグーだって猫である」は、漫画家の麻子が飼い猫のサバを亡くし悲しみに暮れていましたが、彼女のもとにやってきたアメリカンショートヘアの猫「グーグー」を迎え入れ、愛猫との生活を通じて元気を取り戻していく様子が、柔らかなタッチで描かれています。 猫との暮らしの中で、笑いと涙が交錯しながら人生の大切さや希望が描かれています。 猫好きにはたまらない日常のシーンが多く、「猫と暮らす幸せ」をじっくり味わえる映画だといえるでしょう。
旅猫リポート
「旅猫リポート」は、『図書館戦争』『三匹のおっさん』など、数多くのヒット作を生み出した有川浩の長編小説を実写化した映画です。元飼い主の事情により新しい飼い主を探すことになった猫・ナナと青年サトルの旅を描いた物語です。 劇中では、人間の言葉を理解するナナが、悟への愛情・友情をあますことなく表現。猫と暮らす人なら涙腺が崩壊しそうなほどの感動を届けてくれます。悟の、爽やかなのにどこか憂いを感じさせる表情も、物語の重要な演出になっています。
こねこ
「こねこ」はロシア映画で、モスクワの街をさまよう子猫チグラーシャの冒険を描いた作品です。 子猫の一生懸命な姿と、猫を通じた家族の触れ合いをさわやかに演出し、子供はもちろん、大人も十分に楽しめるストーリーとなっています。
猫の恩返し
スタジオジブリが手がけたアニメ映画「猫の恩返し」は、女子高生のハルが猫の国に迷い込む不思議な冒険を描いた作品です。 ハルは、車にひかれそうになっていた猫の王国の猫王のルーンを助けたことで、猫の王国に招待され、“ルーンの花嫁”として迎えられそうになります。 そこから、猫の国での奇想天外な物語が展開していくのです。 猫たちが人間のように話し、生活している世界はユーモラスで魅力的です。 特に、ハルに成長を促す男爵「バロン」の存在感が際立ちます。
ドラマ編

ドラマでも、猫が主役の作品はたくさんあります。 猫の自然体な存在感が、物語を柔らかく彩ってくれるのが魅力といえるでしょう。
ねこタクシー
「ねこタクシー」は、元中学校教師のタクシー運転手・間瀬垣勤が、とある猫と出会いから、人生が劇的に変化していく様子を描いています。 公園で仲良くなった三毛猫を乗せたタクシーが評判となり、生気を取り戻し暮らしていく勉の姿に胸が熱くなります。 猫の持つ不思議な癒しのパワーが描かれており、「猫がそばにいてくれるだけで、人は救われる」と実感できるかもしれません。
猫侍
「猫侍」は、幕末を舞台に、加賀藩剣術指南役をリストラされた傘職人として食いつないでいた斑目久太郎が、白猫の玉之丞に一目惚れ、自宅で飼育していくことで数奇な運命をたどるコメディです。 時代劇で、動物との触れ合いから人間の心に寄り添い、温かい物語を作り出しています。
世界ネコ歩き
世界ネコ歩きは、ドラマというよりはドキュメンタリー番組です。 世界各地で暮らす猫たちの日常を追った番組で、写真家の岩合光昭氏が猫目線で各地を歩きながら、自然な猫の姿を捉えています。 観光気分で猫の世界に触れることができ、画面に映るすべてが癒しとなるでしょう。 猫の生き方に、思わず学ばされることも多いはずです。
漫画編

猫が主役の漫画は、笑いと涙にあふれた名作揃いです。 漫画によって絵柄や世界観の違うため、さまざまな猫の魅力を楽しめるでしょう。
チーズスイートホーム
子猫のチーが迷子になり、新しい家族と出会ってからの毎日を描いた心温まる物語です。 可愛い絵柄とほほえましいキャラクターで、子どもから大人まで楽しめます。 猫との暮らしで起こる日常の小さなトラブルや喜びがリアルに描かれ、「こんな猫と暮らしたい」と思わせてくれるでしょう。
ねことじいちゃん
猫と暮らす大吉じいちゃんの日常を、淡いタッチで描いた作品が、「ねことじいちゃん」です。 愛する人を亡くした後も、猫と過ごす時間が支えになっているじいちゃんの姿が、胸にじんと響きます。 高齢者と猫の関係性や地域とのつながりなど、温かな視点が魅力です。 独特な雰囲気の漫画であるこの作品は、猫と「静かに寄り添う」という感覚を味わえるでしょう。
夜廻り猫
「夜廻り猫 」は、悩める人々のもとに現れる猫「遠藤平蔵」が、そっと心に寄り添ってくれる感動作です。 SNSで話題となり、単行本化されてからも多くの支持を集めています。 遠藤平蔵は、人の涙の匂いを感じ取って現れ、「泣く子はいねが〜」と声をかける夜廻り猫です。 この猫と出会うことで、登場人物たちはほんの少しですが救われていきます。 猫が主人公でありながら、人間の弱さや優しさを描く社会派ヒューマンドラマでもあり、読むたびに温かい気持ちになれる作品です。
きょうの猫村さん
一風変わった猫漫画として知られているのが、「きょうの猫村さん」でしょう。 主人公は、家政婦として働く猫・猫村ねこ。 人間のようにエプロンをつけ、料理や掃除をこなす姿はシュールでありながら、なぜかほっこりとした温かさを感じさせてくれます。 手描き風の柔らかいイラストと、猫村さんの健気な性格が相まって、読んだ後には優しい気持ちになれる不思議な魅力があります。 猫好きだけでなく、日々にちょっと疲れた人にもおすすめの作品です。
猫が出演する作品は名作だらけ

猫が主役の映画、ドラマ、漫画には、共通して「猫らしさ」への深い理解と愛情が感じられます。 作品の中で描かれる猫たちは、決して読者である人間に都合の良い存在ではなく、自由で、気ままで、それでいて温かさをもたらす存在です。 そうした猫の自然体な魅力に触れることで、実際に猫と暮らしてみたい、もっと愛猫を大切にしたいという気持ちが湧いてくるでしょう。 猫と過ごす日々の愛しさを改めて実感できる、そんな作品をひとつでも見つけてもらえたら嬉しいです。
著者情報

けんぴ
若い頃はドッグトレーナーとして、警察犬の訓練やドッグスポーツなどを行う。
それらの経験を活かし、ペット系ライターとして活動中。
現在はすっかり猫派となる。
好きな犬種・猫種はボーダーコリーとノルウェージャンフォレストキャット。