ハーネスのメリットは?

ハーネスは首の圧迫を防ぎ体の負担を少なくしてくれます。 散歩でぐんぐん前に進んでしまうような犬は、首輪を付けていると、首が圧迫され、気管虚脱やヘルニアなどを引き起こす可能性があります。 引っ張り癖のある犬はハーネスを装着することをおすすめします。 また、高齢犬や歩行障害がある犬はハーネスを使用することで、歩行をサポートすることができます。体への負担も少ないため、安全に使用することができます。 しかし、ハーネスはしつけトレーニングには不向きです。さらに、装着方法を誤ると脱走してしまう可能性もあります。ハーネスを使用するのであれば、正しく装着しましょう。
ハーネスの種類の違いと選び方とは?
次に、ハーネスの種類が複数ある中で、それぞれの違いや選び方、首輪との違いについて、それぞれ解説します。
ハーネスの主な種類とそれぞれの特徴
ハーネスの主な4種類とそれぞれの特徴について説明します。
ベスト型
べスト型のハーネスは、生地には人間の服と同じ素材でおしゃれなデザインが多く、生地の面積が大きいため、老犬や皮膚の弱い犬に適しています。 一方で、生地自体が柔らかく、力が強い犬や大型犬では耐久性が心配な面もあることも頭に入れておきましょう。
H型
H型のハーネスは、2つの輪に前足を入れて使用するものです。犬の胴体をしっかりと固定することができるため、首への負担が下がり、小型犬に適しています。ただし、装着時に、犬の前足を触れて行うことが必要であるため、この行為に苦手意識を持っている犬には不向きでしょう。
八の字型
八の字型のハーネスは、上から見ると八の字に見えるハーネスのことです。片方を首に、もう一方を胴体に巻いて装着します。 着脱時に、犬の足を持ち上げる必要がないため、足の噛み癖のある犬や大型犬などに適しています。
イージーウォークハーネス
最後に、イージーウォークハーネスです。こちらは、リードの装着部が犬の胸元にあり、犬が前に引っ張ろうとすると反対側に力が入り、前進できなくなる仕組みが特徴です。こうした特性を踏まえて、引っ張り癖のある犬に対するしつけを行いたい場合に適しています。
犬種・体格別におすすめのハーネス形状
犬には様々な犬種や体格がありますが、それぞれに適しているハーネスの形状があります。それぞれ体格別にご説明します。
小型犬
チワワなどの小型犬は、とても繊細であるため、抜けてしまうことや、呼吸困難、皮膚トラブルなどの健康面への影響を及ぼす可能性があるため、慎重に選ぶ必要があります。 このような特徴を考慮したうえでおすすめしたいタイプは、①べスト型②H型になります。 ①べスト型は、胴体をしっかりと固定できるため、首への負担が軽減されます。また、小型犬ならではのファッション性を追求したい場合でも、洋服のように装着できることも嬉しいポイントです。 ②H型は、首輪と比較して首や気管支への負担が軽減されることから、小型犬への着用が推奨されます。
大型犬
ゴールデンレトリバーなどの大型犬においては、牽引力が強く、体にあわないハーネスを着用した場合、首への負担のほか、脱走してしまうリスクがあります。こうした点を踏まえて、おすすめするハーネスのタイプは、①八の字型②イージーウォークハーネスになります。 ①八の字型は、力が強い大型犬に対しても、飼い主側で犬のコントロールが容易であり、装着時に前足をあげることが不要で、着脱時の負担が少ないことが魅力です。 また、引っ張り癖のある犬に適していて、犬が引っ張ろうとすると、圧力が首にかかる仕組みであるため、行動の制御に繋がります。 ②イージーウォークハーネスは、引っ張られる方向と逆方向に力を入れようとする犬の習性を利用した構造を利用しています。犬が前に引っ張ろうとすると、前胸に力が加わった反動で、後ろに引かれてしまい、前進できないため、戸惑うことでしょう。
首輪とハーネスの違いと選び方のポイント
首輪とハーネスは一見似ているように見えますが、どのような点が異なるのか、気になる方もいらっしゃるでしょう。選ぶ際のポイントも踏まえて解説します。 首輪は、ハーネスより体に触れる面積が小さく、リードを引いた際の刺激がハーネスより大きく、しつけに適しています。一方で、その強い刺激故に、頸椎や気管への負担が生じます。また、頭の小さい犬や太っている犬は首輪が抜けやすくなるというデメリットがあります。 一方、ハーネスは、体に触れる面積が多く、体に対する影響が少ないこと、首輪よりハーネスの方が抜けにくい点がメリットといえるでしょう。反面、引っぱり癖ができてしまう恐れや拾い食いなどをした際、しつけが難しい点があるでしょう。また、後ずさりをする犬の場合には、ハーネスが脱げてしまうことが多いといわれています。 これらの違いがあるなかで、首輪がおすすめのケースは、引っ張り癖を直したいなどのトレーニングをしたい場合、指示が伝わりやすく適しています。ハーネスがおすすめのケースは、頸椎・胸椎のほか呼吸器系に疾患があったり、老犬などです。また犬種でいうと鼻が低い短頭種といわれるフレンチブルドッグやパグは、頸椎や気道に問題を抱えやすいため、ハーネスを選びましょう。
ハーネスの付け方とは?

ハーネスにはいくつかタイプがあります。ここでは、ハーネスの種類と一般的な付け方についてご紹介します。 ハーネスの付け方はメーカーなどにより異なることがありますので、商品の説明書を必ず確認してください。
H型のハーネスの付け方
H型のハーネスは、2つの輪っかがあるベルト状のハーネスです。前足を通さなければいけないので、足を触られることに苦手意識のある犬には不向きです。 ハーネスの付け方 1,装着部分のバックルを外しておきます。 2,2つの輪がありますが、リードを付けるためのリングが付いている方が後ろ側になります。 3,手前側の輪を首に通します。 4,もう1つの輪に左前足を通します。 5,バックルが付いたベルトを前足の間から通し、背中側のバックルに装着します。 6,ハーネスを装着したあとはベルトの長さを調節します。 ベルトだけなので、初めて付ける方は少し難しいかもしれません。しかし、慣れてしまえば簡単に装着できます。どちらが手前側なのか、後ろ側なのか確認してから装着しましょう。 ハーネスの付け方はメーカーなどにより異なることがありますので、商品の説明書を必ず確認してください。
ベスト型のハーネスの付け方
ベスト型のハーネスは、優しい素材で作られているものが多く、体への負担も軽減できます。高齢犬だけでなく、ヘルニア経験犬にもおすすめです。布面が広く、デザインも豊富にあります。 ハーネスの付け方 1,装着前に前後がどちらなのか確認しましょう。ほとんどのものがバックル面が背中側です。メーカーによってはロゴが胸部分に付いているものもあります。 2,両前足を穴に通します。 3,背中のバックルを装着します。 4,最後にベルトの長さを調節します。 ベスト型のハーネスは比較的に装着しやすいものが多いです。メーカーによっては前後がわかりやすいものも多いので、ハーネス初心者にもおすすめです。
8字型のハーネスの付け方
8字型のハーネスは、その名の通り、小さい輪と大きい輪の2つの輪がついたハーネスです。前足を通すことがないので、足を触られることが苦手な犬でも簡単に装着できます。 ハーネスの付け方 1,バックルを外しておきます。 2,小さな輪の方に、顔を通します。 3,バックルを外した大きな輪の方のベルトを胴体にまきつけます。 4,バックルを留めます。 5,最後にベルトの長さを調節します。 8字型のハーネスは輪の大きさでどちらが前側なのか判断することができますが、中にはわかりづらいものもあります。前足を通さないので、ハーネスに慣れていない犬はおすすめです。
イージーウォークハーネスの付け方
イージーウォークハーネスは引っ張り癖のある犬におすすめのハーネスです。リードを取り付けるリングが胸部分にあるため、引っ張られにくくなっています。 ハーネスの付け方 1,バックルを外します。 2,大きな輪に首を通します。 3,ハーネスを前足の後ろに通し、バックルを留めます。 イージーウォークハーネスはハーネスを使いたいけれど、引っ張り癖もどうにかしたい方におすすめです。
間違った付け方の注意点・NG例
ハーネスの効果を半減させないためにも、装着方法のポイントを2点確認しましょう。
よくある間違った付け方とは?
よくある間違った付け方は、全てのストラップが適切な長さで調整され固定されている点を十分に確認せず、犬に装着してしまうことです。これによって正しいハーネスの効果が得られないほか、動く際に犬が不快感を覚えることもあります。 また、時間の経過と共に犬の体格も変わる可能性があるため、装着時に丁寧にフィット感を確認するようにしましょう。
サイズの合っていないハーネスによる危険性
ハーネスは計測をしっかりと行い、愛犬にあったサイズ感を選ぶようにしましょう。仮にタイトになってしまった場合、不快感や皮膚が擦れ、炎症になってしまう可能性があります。一方、ハーネスが緩い場合には、ハーネスがもつれたり、散歩中に外れてしまうこともあります。
嫌がる犬にもハーネスをうまく付けるコツ
犬の中には、ハーネスの装着を嫌がる場合もあります。初めてハーネスをつける場合、装着時に落ち着いて対応できる方法について、それぞれ解説します。
初めてのハーネスに慣れさせる方法
初めてハーネスを装着すると犬の中には鳴れないバックルの音などに恐怖感を覚え動けなくなってしまうこともあります。こうした事態を避けるため、ハーネスを装着したらおやつ、おもちゃを与えるなどをして、気を紛らわせる対応が必要です。また、いきなり本格的なハーネスを装着するのではなく、軽量の首輪を装着することから徐々にスタートすることも大切です。
ハーネスを付けるときの落ち着かせ方
ハーネス装着時に犬が興奮している場合、無理やり装着することは避けましょう。犬がハーネスを怖いものではないことを認識できるように、丁寧に伝えていきましょう。具体的には、犬のそばにハーネスをおいて、犬がハーネスに興味を示したときに、ご褒美を与えるなど、犬から見てプラスの印象を与えるように工夫しましょう。
成長段階・シーン別のハーネス活用法
ここでは、成長段階・シーン別のハーネスの活用法についてそれぞれ解説します。
子犬へのハーネスの付け方と注意点
子犬にハーネスを付ける時期は、散歩を開始するタイミングに合わせて行いましょう。おおよそ生後3~4か月が目安の時期になります。いきなりハーネスを装着して外出するというのではなく、事前の室内での慣らしも大切です。 注意点としては、子犬の時期は、まだ成長段階にあるため、これからさらに大きくなることを考慮して、サイズ調整ができるタイプのハーネスを選びましょう。また、サイズ感の目安として、指が2本程度入る程度のサイズが良いとされているので、装着時の調整で意識するようにしましょう。
シニア犬や介護用ハーネスの付け方
シニア犬や介護用ハーネスについては、前足から足を通します。装着時には、犬の体や足を無理に引っ張ることや曲げることは避けましょう。次に、後ろ足を通します。最後に下から包み込むように背中でファスナーやマジックテープを合わせましょう。体のどこか一部に負担がかかっていないかどうか、違和感がないかを細かく確認することが大切です。
散歩、車移動、アウトドアなどシーン別使い分け
ハーネスにはシーン別にそれぞれに適したハーネスがあります。 例えば散歩の時には、暑い季節でも快適に過ごせるように通気性の高いメッシュ素材を使用した蒸れにくい構造のハーネスがあります。 また、車移動の際に、ドライバーが運転に集中できるように安全性の高い方法として注目されているものとしてドライブハーネスはあります。ベルト部分は1本のベルトで製作されていることにより強度を高めているほか、胸のプレート部分が事故などの衝撃にも耐えうる強度があり安心して利用できます。 さらに、キャンプなどのアウトドアの際に適しているハーネスもあります。様々な汚れから体を守ってくれ、補助ハンドルがあり、緊急時にリードよりも早く犬を保護できるなど愛犬を様々な危険から守ってくれる頼もしい機能があります。
ハーネスおすすめ商品をご紹介
ハーネスには機能性が高いものやデザインがよいものなどたくさんの種類があります。ここでは、ハーネスのおすすめ商品をご紹介します。
1,PUPPIA パピア ソフトベストハーネス

ベストの部分がメッシュ生地で作られており、カラーバリエーションも豊富なハーネスです。内側は柔らかく優しい仕上がりになっています。メッシュ生地なので通気性もよく、夏場の散歩でも快適に過ごすことができます。 ハーネスの付け方は、バックルとマジックテープを外し広げ、愛犬の前足を通し、マジックテープとバックルを留めるだけなのでとても簡単です。

2,Julius-K9 ユリウスケーナイン IDCパワーハーネス

世界25カ国以上で愛され使用されている機能性の高いハーネスです。ハーネスには、防水カバー、安全性の高い素材使用、反射素材使用、安全性の優れたバックルやしっかりとしたスチールフック使用など、さまざまなシーンで活用できる仕様になっています。 犬が座った状態でも簡単に装着することができるタイプのハーネスです。

3,抜けにくいハーネス

後退りしても抜けにくく、付け心地・安定感も抜群のハーネスです。軽くて丈夫なので、アウトドアにもぴったりです。ベルトも体に優しく、呼吸器疾患が心配な犬や、高齢犬にも安心して使うことができます。 ハーネスの付け方は、輪を頭に通し、左前足をもう1つの輪に通し、胴のベルトをバックルで留めることで完成です。少し手間がかかりますが、抜けにくい構造になっているので安心です。

4,イージーウォークハーネス

力が強い犬、引っ張り癖のある犬、呼吸器疾患が心配な犬などにおすすめのハーネスです。強く引っ張ると、ハーネスの胸部分に付いたハーフチョークが締まります。そのため、犬の歩幅を小さくし、興奮を抑える効果も期待できます。

ハーネスを付けてお出かけしよう!

ここでは、ハーネスの付け方やおすすめ商品をご紹介しました。ハーネスを初めて使用する場合、付け方がわからず困ってしまいますよね。最近のハーネスは初めての場合でも付けやすいものが多く販売されています。 ハーネスを付けて、愛犬とお出かけしてみてはいかがでしょうか。
・犬服,ドッグウェア DogSkip (参照日:2020-12-10)
https://www.rakuten.ne.jp/gold/dogskip/
・ワンダースタジオ(参照日:2020-12-10)
https://www.rakuten.ne.jp/gold/wanderstudio/
・犬猫の首輪店 すず首輪製作工房 (参照日:2020-12-10)
https://www.rakuten.ne.jp/gold/suzukoubou/
・GOLPARA ~ゴルパラ~ (参照日:2020-12-10)
https://www.rakuten.co.jp/auc-golpara/
著者情報

こばやし
犬、ハムスター、うさぎ、爬虫類、魚類などの生き物と生活していたので小さい頃から動物が好きでした。
動物関係の専門学校を卒業後、動物看護師として動物病院で勤務していました。
動物看護師、愛玩動物飼養管理師などの資格を取得しており、現在はドッグアロマやドッグマッサージについて勉強中です。