犬の肺水腫の症状

まずは、犬の肺水腫の症状についてご説明します。 肺水腫は症状の個体差が激しい病気なので、早期発見ができるように日頃から犬のことを観察する癖をつけましょう。
咳・呼吸が荒くなる
肺水腫は肺に水が溜まる病気なので、どうしても呼吸がしにくくなります。 そのため、呼吸が荒くなったり早くなったりして、さらに咳も頻繁に出るようになるでしょう。 犬が激しい運動をしたわけでもないのに呼吸が荒い場合には、肺水腫を含めた病気を疑う必要がありそうです。 また、ゼェゼェやヒューヒューと音が鳴るような呼吸もします。
チアノーゼ
チアノーゼは、血液中の酸素が欠乏することで起こります。 チアノーゼの症状としては、歯茎や舌の変色が挙げられます。 犬の歯茎や舌が白色や紫色になっているのは、ほぼ間違いなくチアノーゼだといえるでしょう。 チアノーゼは、肺に異常がみられるときに起こる症状です。 もしも犬のチアノーゼの症状がみられたら、すぐに動物病院へ連れて行くことをおすすめします。
座りながら開口呼吸
肺水腫を発症すると、横になると呼吸が苦しいため、座りながら呼吸をすることが多いです。 また、酸素を取り入れようと、開口呼吸をします。 犬が上を向きながらハァハァと呼吸をしている場合には、肺水腫を疑う必要があるでしょう。 開口呼吸は重度の症状ともいえるため、早期の対処が大切です。 この時点で対処しなければ、命にかかわる可能性が高くなってしまいます。
吐血・嘔吐
後述しますが、肺水腫には心原性肺水腫と非心原性肺水腫の2種類があります。 心原性肺水腫は心臓病が原因となりますが、血液が肺にうっ滞してしまい、吐血や血が混じった嘔吐がみられます。 残念ながら、肺水腫の症状として吐血や血が混じった嘔吐をするときは、命にかかわる可能性がとても高い状態といえるでしょう。 もしも吐血をしたときに慌てて動物病院へ連れて行っても、手遅れとなることが多いです。 そのため、日頃から犬の様子を観察して、少しでも呼吸をしにくそうにしている場合には、すぐに獣医師に診てもらうことをおすすめします。
犬の肺水腫の原因

犬の肺水腫は、心原性肺水腫と非心原性肺水腫の2種類に分けられます。 それぞれの原因を知り、できるのであれば事前に予防しましょう。
心臓病
先述したように、心原性肺水腫は心臓病が原因で発症します。 心臓病といってもさまざまなものがありますが、主に拡張型心筋症や僧帽弁閉鎖不全症などが挙げられるでしょう。 心臓病により心臓の機能が正常に働かなくなることで、心臓内に血液が溜まり、肺から心臓に血液が戻りにくくなります。 そして毛細血管内がうっ血により液体成分が肺胞内に漏れ出すことで、肺水腫を発症してしまいます。
肺炎・肺の異常・熱中症など
非心原性肺水腫は、肺炎など肺の異常により発症します。 肺の異常以外にも、熱中症や気管支炎など、さまざまな病気によって発症するため、どんな病気であっても気を抜いてはいけません。 原因はさまざまですが、非心原性肺水腫は、肺の欠陥の透過性が高くなり液体成分が滲み出ることで発症します。
犬の肺水腫の治療方法

最後に、犬の肺水腫の治療方法について解説します。 犬の身体に負担がかからないように、早期発見・早期治療を心がけましょう。
利尿剤の投与
肺水腫の治療としては、利尿剤の投与をすることから始めることが多いです。 利尿剤により、身体の水分を排出していきます。 利尿剤の投与に併せてレントゲンを撮り、肺の状態を確認しながら治療を進めるのが通常の治療方法です。 ちなみに、肺水腫により呼吸がしにくいため、飲み薬ではなく注射により利尿剤を投与します。 また、犬の呼吸が苦しそうであれば、気管支拡張剤を投与して呼吸を楽にすることもあるでしょう。
基礎疾患の治療
ほかの病気が原因で肺水腫を発症しているのであれば、利尿剤や気管支拡張剤などの治療と並行しながら原因となっている病気の治療を行います。 病気の治療を同時進行することは少なからず犬の身体に負担となりますが、やはり原因となる病気を完治させなければ肺水腫の完治にも繋がりません。
酸素吸入・酸素室を使用する
肺水腫の犬の呼吸を楽にさせるために、酸素吸入を行う場合もあります。 また、症状が進行している場合には、酸素室(ICU)を使用することもあるでしょう。 酸素室を使用することで、通常では苦しい呼吸でも、吸い込める酸素量が増加します。 それに併せて肺の水が抜けていくと、より呼吸をしやすくなるでしょう。
犬の肺水腫の治療費用は1万円以上
動物病院によって異なりますが、犬の肺水腫の治療費用は、だいたい1万円かかります。 平均すると、1万3千円前後です。 治療費用の中には、診察料やレントゲン検査料、血液検査料、そして投薬治療料などが含まれています。 それなりに高額の出費となりますが、放置しておくと命にかかわる可能性が高い病気なので、早めの治療をしなければなりません。
犬の肺水腫は早めの対処が大切

犬の肺水腫は、肺に水が溜まることにより呼吸がしにくくなります。 また、命にかかわる重度な症状としては、吐血や血が混じった嘔吐などが挙げられます。 肺水腫により吐血をしたときには手遅れとなっていることが多いため、早めの対処が大切です。 もしも愛犬が呼吸を苦しそうにしている、普段と様子が違うなどの症状がみられた場合には、少しでも早く動物病院へ連れて行きましょう。 犬の肺水腫の治療は、早ければ早いほど犬に負担がかかりません。 さまざまな病気が原因になることもあるため、日頃から犬の様子を観察することが肺水腫の早期発見に繋がるでしょう。
著者情報
けんぴ
若い頃はドッグトレーナーとして、警察犬の訓練やドッグスポーツなどを行う。
それらの経験を活かし、ペット系ライターとして活動中。
現在はすっかり猫派となる。
好きな犬種・猫種はボーダーコリーとノルウェージャンフォレストキャット。
