スイス原産の犬種
まずは本題である、スイス原産の犬種を5種類ご紹介します。 誰もが聞いたことのある犬種や、日本ではマイナーな犬種もいるでしょう。
バーニーズマウンテンドッグ

バーニーズマウンテンドッグは、スイス原産の犬種としてもっとも有名です。 使役犬としての歴史はかなり古く、なんと2000年以上前から人間のために仕えていたといわれています。 大きな身体と艶のある被毛、そして茶と黒と白の3つのカラーが印象的です。 バーニーズマウンテンドッグの体重は平均で40kgを超えるほどで、毎日の散歩も朝晩計2時間必要です。 また、バーニーズマウンテンドッグはとても穏やかな性格をしており、小さな子どもにも優しく接することができます。 当然ながら大型犬のためしつけは必要ですが、バーニーズマウンテンドッグは家族の良いパートナーとなってくれるでしょう。
セントバーナード

セントバーナードも、スイス原産の犬種の中では有名でしょう。 体重は50kg以上、大きい個体だと100kgを超えることもあるといわれるセントバーナードは、山岳救助犬として活躍することでも知られています。 ちなみに、山岳救助犬として活躍することもあって、セントバーナードは寒さに強いです。 しかし逆に暑さには弱いため、夏場の暑さ対策には十分気を付ける必要があるでしょう。 また、セントバーナードは温厚でのんびりとした犬種ですが、感情を表情から読み取りにくいことから、日頃からしっかりとコミュニケーションをとることをおすすめします。
シュヴィーツラウフフンド

シュヴィーツラウフフンドは、スイスハウンドとも呼ばれる犬種です。 猟犬で、特にウサギ猟では大活躍でしょう。 短い被毛と長い耳が特徴で、体重は約20kg前後と中型犬に分類されます。 シュヴィーツラウフフンド日本ではあまり見かけることのない犬種ですが、現在でも猟犬として人間のために仕えており、ペットとして飼われることは少ないでしょう。 また、猟犬らしく従順な性格の持ち主です。
グレートスイスマウンテンドッグ

グレータースイスマウンテンドッグは、セントバーナードの祖先といわれている犬種です。 引く力が強く、荷車をけん引することでも活躍しています。 また、20世紀初頭にグレータースイスマウンテンドッグは絶滅の危機を迎えましたが、保護活動によって現在はアメリカやヨーロッパを中心に繁殖されています。 体重は約60kg前後とスイスの牧羊犬の中でもっとも身体が大きく、飼うには相当の覚悟が必要でしょう。 性格はセントバーナードの祖先ということもあり、子どもとも問題なく接することができる温厚な性格をしています。
ホワイトスイスシェパードドッグ

日本でも警察犬として活躍するジャーマンシェパードですが、そのジャーマンシェパードがもととなって生まれたのが、ホワイトスイスシェパードドッグです。 ホワイトスイスシェパードドッグは、日本でもホワイトシェパードという略称で知られており、ほかの犬種に比べると新しい犬種といえます。 日本では1990年代にはじめて輸入されて、2001年に日本ホワイトシェパード協会が設立されています。 ホワイトスイスシェパードドッグの一番の特徴は、その白く美しい被毛でしょう。 ほかの特徴や性格はジャーマンシェパードとほぼ同様で、飼い主に対して従順であり、良きパートナーとなってくれるはずです。
スイスの犬事情とは?

ペット先進国といわれるスイスにとって、犬はどのような存在なのでしょうか? 次に、スイスの犬事情を解説します。
犬税を世界ではじめて取り入れた
スイスは、「犬税」を世界ではじめて法律で取り入れた国として知られています。 現在では犬税はヨーロッパ全土に広がっていますが、犬税があることで、衝動買いのように犬を飼ってしまう人を減らすことが期待できるでしょう。 ちなみに、犬税は犬の飼い主全員に課せられる税金であり、公道や公園整備などの一般財源として使用されています。 人間と同等レベルで犬への尊厳も重視されているのが、スイスの動物に対する意識の高さと言えるでしょう。
スイスにペットショップはない
スイスに、ペットショップは存在しません。 スイスで犬を飼いたいと考えた時は、ブリーダーや保護施設から譲り受ける形になります。 なお、ブリーダーは客からの予約があってから出産させるシステムなので、引き取り手がなく路頭に迷う犬は極端に少ないでしょう。
動物保護施設「ティアハイム」がある
スイスには、ティアハイムと呼ばれる動物保護施設があります。 ティアハイムとはドイツ語で「Tierheim」保護施設を意味しており、寄付やペットホテルの利益によって運営されている非営利団体です。 日本にも動物の保健所や保護施設はありますが、日本と異なる点としてティアハイムには犬を保護する期間が定められていない点でしょう。 ティアハイムに保護された犬たちはほとんど新たな飼い主を見つけますが、万が一飼い主が見つからなかったとしても、ティアハイムでずっと過ごすことができます。
ほとんどの公共施設に犬を連れて入れる
日本では、電車やバスに犬を連れて入ることはできません。 もしも犬を連れて行くのであれば、クレートなどに入れる必要があります。 しかし、スイスはほとんどの公共施設に犬と入ることが可能です。 それほどまでに、スイスでは犬が人間同様に尊重されているのでしょう。
スイスの動物保護法について

スイスの動物保護法は、世界でもっとも厳しいといわれています。 ペット先進国であるスイスならではの、動物保護法についてもチェックしておきましょう。
家畜の小屋のスペースに制限がある
スイスは、犬だけではなく牛や豚などの家畜にも細かい規定があります。 例えば家畜小屋は、牛1頭あたり最低2平方メートルのスペースを確保しなければなりません。 ちなみに、家畜数にも上限が設けられており、子牛は最大300頭、豚は1500頭、雌鶏は18000羽と決まっています。
食肉処理場への輸送も規制がある
牛や豚などの家畜の輸送にも、スイスは厳しい制限があります。 ほかのヨーロッパ諸国は動物を最大24時間まで輸送することができますが、スイスは車中8時間、路上6時間という制限があります。 いくら家畜だといっても、動物の尊厳を守るのがスイスという国です。
社会性のある動物は2匹以上を飼わなければならない
動物の尊厳を守るスイスらしい法律が、ウサギやインコなどの社会性のある動物は2匹、2羽以上で飼わなければならないという法律です。 また、1匹で飼われる猫は「毎日人と接したりほかの猫が目に入ったりする環境でなければならない」というように、社会性のある動物がストレスを溜めないような法律も多く定められています。
スイスの犬は働き者

ペット先進国であるスイスにとって、犬はペットではなく家族やパートナーという考えです。 昔から人間のために仕えてきたスイスの犬たちは、パートナーとしてとても働き者だといえます。 もちろん日本でも犬は家族だという人は多いですが、電車に乗る時はクレートに入れなければなりませんし、公共施設にも愛犬を連れて入ることは難しいでしょう。 日本でもブリーダーやペットショップが販売するすべての犬や猫にマイクロチップの装着が義務づけられるなど、徐々に犬や猫に対する考え方も変わってきています。 日本もスイスなどのヨーロッパ諸国に続くペット先進国となるように、徐々に法律も良くなっていってほしいものです。
著者情報
けんぴ
若い頃はドッグトレーナーとして、警察犬の訓練やドッグスポーツなどを行う。
それらの経験を活かし、ペット系ライターとして活動中。
現在はすっかり猫派となる。
好きな犬種・猫種はボーダーコリーとノルウェージャンフォレストキャット。
